昨日、ポン・ブルックス彗星を撮影するために大宜味村まで行ってきた。万座毛の駐車場が20時までなので、そこでぎりぎりまで粘ることも考えてはみた。しかし撤収の時間と彗星の見え始める時間を考えると、20時ではどうしても無理だ。
ということで、本部半島の先の備瀬崎、古宇利島、大宜見の海岸を候補として検討。備瀬崎は北西方向の灯台と伊江島の灯りが邪魔かもしれないので却下。古宇利島と大宜見とで迷ったが、古宇利島はただの海岸なので、北風による波しぶきが気になった。舗装された駐車場とトイレ完備な大宜見の結の浜公園に決めた。
グーグルマップによれば3か所とも那覇からの所要時間はほぼ同じだった。
高速を利用したので、日没前に到着することができた。近所の子どもたちが10人以上遊んでいて、3,4歳の幼児に「おじぃ?」と声をかけられたのは少しショックだった。まあ私も60代半ばなので、この子のおじいさんに顔が似ていたのかもしれないが、おじいさん扱いはやはりショックだ。
観光客に「おばぁ」と声をかけられた高齢の女性が、「私はあんたのおばあさんじゃない!」とキレたという話を以前聞いたことがあるが、気持ちがわかったような気がした。自分はまだ年寄りではないと思っているので。
私はもちろんその幼児にキレることなく「はいはい」と言っておいた。
そんなことはいいとして、邪魔にならない場所に機材を急いで設置した。上の画像にあるとおり、20cmF4反射+90s赤道儀(直焦点撮影と眼視)、12cmF5屈折(眼視)、10cm20倍双眼鏡(眼視)、200mmF2望遠レンズ(固定撮影・動画)、300mmF4望遠レンズ+スカイメモRS(静止画撮影)という、ひとりで使える最大限の機材を並べた。
しかし日没後暗くなるにつれ、西の空に雲が広がっていった。4cm双眼鏡で彗星を探すものの、薄雲で星すべてが彗星に見えるので何がなんだかよくわからない。
4cmはあきらめて10cm双眼鏡で探したら、雲の隙間からやっと彗星を見つけられた。急いで20cm反射を向けてとりあえず1コマ撮影してみた。
写野中心は外してしまったが、彗星はどうにか写っている。コマ収差がひどいが、コマコレクターを装着する時間がない。2コマ目は彗星は雲の中でわからなくなってしまった。
そこで彗星を探すために200mm望遠レンズで撮影。やはり彗星は雲の中。下の画像の矢印が彗星。
その後1時間ほど粘ったが、雲は厚くなるばかり。彗星が沈む頃になり、満月直後の月も昇ってきたのであきらめて撤収作業にはいる。
12cm屈折と300mmF4望遠レンズは出番がなかった。でも10cm双眼鏡で彗星を見ることができたし、20cm反射で1コマだけでも撮影出来たのでよしとしよう。
上のオリオン大星雲は彗星との比較のため、彗星と同じ光学系、同じ露出で撮影したもの。彗星は意外に小さい。尾が写っていないのでなおさら小さく見える。
今回の撮影地は大宜味村の塩屋大橋のすぐ北側で、埋め立て地に作られた公園だ。東側には駐車場の街灯やアパートの灯りがあってまったく暗くない。しかも南西側は名護市の光害の影響が強く、あまりいい撮影場所ではないことがわかった。北西に限定ならまあいいかなというところ。
下の画像は、海岸まで出て西側を撮影したもの。手持ち5秒、ISO3200でこの明るさだ。
ここまで来るなら森林公園あたりまで行ってもよかったが、あちらは西側は辺士名の町があるので、今回の撮影には向かない。
上の画像から考えると、今回は古宇利島の北側でもよかったかもしれないと思う。行ってみないと実際にどうなのかはわからないので、今度行ってみたい。