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初心者用天体望遠鏡その2の訂正

 今回は訂正である。初心者用天体望遠鏡その2で書いた「ビクセンポルタA70Lf」の中で勘違いがあった。訂正してビクセン関係者にはお詫びしたい。

 さて、その訂正部分だが、天頂プリズムを使わないとピントが合わないと書いたが、なんと延長筒が付属していた。私はてっきりカメラアダプターの一部だと思っていた(それにしては部品が足りない)が、実際には延長筒だった。それを使うとちゃんとピントが合った。

 しかし高倍率のピント合わせはあまり快適ではない。ドロチューブを伸ばしきる直前で、上下に動いてしまう。高倍率だと対象物が逃げてしまう。惑星撮影では困った。

 今回は40cm鏡筒に同架して木星を撮影した。シーイングがよかったので、口径7cmにしてはみごとな写りだった。アクロマート屈折なので色収差はあるが、眼視150倍で大赤斑も確認できた。
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 撮影した画像は色収差のためか、紫がかっているのが難点だが、よく写っている。木星の真ん中少し上の赤っぽい楕円が大赤斑。

 鏡筒にこのくらいの性能があって架台がポルタなら、初心者用としては十分すぎるほど。お勧めできる1台だ。
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by anettait | 2007-06-29 00:11 | 初心者用望遠鏡 | Comments(0)  

Ninja320を運ぶ

 ライトダウン観望会を思いついた時、望遠鏡はNinja320しかないと思っていた。もちろん設置の時間と、運搬する場合の労力と口径を考え合わせた結果だ。

 観望会の場合、できるだけ口径は大きい方が素人さんにはっきりと惑星を見せられる。今回は土星メインだけにこれは重要だ。また、望遠鏡の見た目の大きさで圧倒するという効果もある。シュミカセのようなコンパクトな鏡筒は重い割に大きく見えないのでインパクトは弱い。

 運搬を考えると軽いほうがいい。Ninjaは口径を考えると十分軽い。口径32cmであれより軽いものはないと思う。

 ところで地下駐車場から会場までNinjaをどうやって運ぶかだが、半分ずつ持っていったのでは先に持って行った方が心配だ。不特定多数が行き来する広場だから。ということで考えた結果、カートに載せて一度に運ぶことにした。
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このカーとは13年前に通販で買ったアメリカ製。10年保障でなんと90キロの重さまで運搬可能。私はこれをオーストラリアの一人旅用に買った。40キロ以上の荷物を載せて、オーストラリア大陸を移動した。その後タイ日食にも行ったし、離島も何度も行ったが最近出番が少ない。

 Ninja320を組み立てたまま無理やり載せると上の画像のようになる。そのまま傾けて運べる。もちろんバランスには注意しながら。これで十分使えることが実証された。

 今後の課題は、これにジョンソニアン赤道儀台も載せてしまおうということだ。かなり無理があるとは思うが、とりあえずやってみたい。できればNinjaの架台にタイヤが付いていればもっと楽なんだが。
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by anettait | 2007-06-26 01:04 | 観望会 | Comments(0)  

ライトダウン星空観望会

 「夏至、冬至の夜は灯りを消してろうそくの灯ですごそう」という「キャンドルナイト」(だったかな)という運動が数年前からおこなわれているらしい。それに合わせて「ライトダウンして星空を楽しもう」というイベントも行われているようだ(県外の話)。

 沖縄でもやってみようかということで、すばるの会と大型スーパーでおこなう予定だったが、スーパーの都合か何かで中止になった。私は合流するか、独自でやるか迷っていたが、結果的に独自でやることになった。

 今回のキャンドルナイトは夏至の22日から24日までの3日間という期間だ。22日は南部の施設で観望会、23日は慰霊の日で忙しく、やはり24日になった。

 場所は沖縄県庁前の県民広場。この場所は(数名の小規模な観望会なら)許可がいらないということを去年そこの管理部門に確認済みだったからそこに決めた。やるのを決めたのは22日夜だったし。
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 メンバーはすばるの会のK氏とふたりで、夜7時半から9時頃までおこなった。ひとりではなく、ふたりということがけっこう重要だ。

 実は去年の七夕の日、同じ場所で望遠鏡を出して月を見せようとしたが、おじさんがひとりで望遠鏡のそばに立っているのはあやしすぎるのか、通行人は遠巻きに見るだけで、望遠鏡で月を見ていったのは数名だけだった。天気もかなり悪かったけど。

 今年おじさんだがふたりなので、しかも看板(ダンボールだけど)も作ったのでそれなりに格好がついたようだった。
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 親子、観光客を中心に20名以上の人が望遠鏡で月、金星、土星を見ていった。怪しいものを見るような感じの人は去年に比べて少なかった。

 望遠鏡を覗いた人はほとんどが驚きの声を上げ、50代の女性は「小学校5年生の時以来だ。」と言い、外国人の4人グループ(台湾か韓国?東洋系)はよくわからない感嘆の声を上げ、白人男性はデジカメで土星と月を撮影していった。小学生と保育園児の3人兄弟は争って覗こうとするので望遠鏡があっちこっち向いて大変だった。
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 ところで今回気がついたのは、日曜の夜ということもあるが、県民広場は人通りが少ないということだった。街灯はあるがそれほど明るくなく、夕方の西空もどうにか見えるので(西の低空は無理)観望会にはどうにか使える。しかし通行人のほとんどは国際通りから向かい側のパレット久茂地に行ってしまう。

 パレット久茂地前の広場は人通りがとても多いが明るく、しかも天頂から西は見えない。東、南、北も高いビルのため視界は悪い。人を集めるには好都合だが、星はとても見づらい。

 しかも観望会を行うためには2箇所の許可が必要で、それには時間もかかるしめんどうだ。数年前に火星観望会をした時には、警備の人が許可を取ってあるかを確認しに来た。勝手に観望会というわけにはいかないようだ。

 次はもっと多くの人に星を見せたいので、もう少し工夫して人を集められるようにしたい。規模が大きくなれば許可が必要だろうが、それはきちんとおこなうとして。

 ところで今回すばるの会のK氏にはとてもお世話になった。やはり一人よりは二人の方が心強いし、ひとりでやるよりも集客力がある。望遠鏡も2台になるのでお客さんに違うものを見せられる。今回は金星、土星、月と見せたいものが三つあったので、1台では無理だったろう。

 今回の望遠鏡は画像にもあるようにNinja320とK氏のペンタックスの屈折赤道儀。Ninja320は準備片付けが簡単でとてもよく見えるのでいいのだが、観望会ではやはり赤道儀が必要だなと今日は感じた。人数が少なかったからどうにかできたけど。
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by anettait | 2007-06-24 23:47 | 観望会 | Comments(0)  

夏至の日の螺旋階段

 今日はすばるの会が南部の児童施設で観望会をするというので、仕事が終わってから手伝いに行った。道に迷ったせいもあり着いたらすでに20時過ぎ。
 こういう時にNinja320はありがたい。あっという間にセットできて、びっくりするような土星を見せることが出来た。大小5,6台の望遠鏡でいろいろな天体を見て、子どもたちは喜んでいた。ただし写真は撮ってないので載せられない。

 ところで今日(6月22日)は夏至だ。昼がいちばん長いということだが、太陽の南中高度がいちばん高い日でもある。沖縄本島では南中高度が87度にもなる。ほとんど天頂だ。

 亜熱帯天文台は観測室まで延々とらせん階段を昇らないといけない。まるでアンモナイトの中を歩いているようだと言われるし、急いで降りると目が回ることもある。そのらせん階段は、夏至の日にだけいつもとちがったものが見られるはずだった。

 らせん階段のてっぺんには丸いガラスがはめてあって、太陽や月の光が入ってくる。夏至の日にだけ、南中した太陽の光がらせん階段の中央を通って下まで差し込む。
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 年に1度の現象だが、実際はもう一息のところで1階の床まで届かない。もちろんこれは南中高度が90度ではなく87度のせいなのだが、てっぺんの窓を少し南に寄せるか、もう少し大きくすればよかったと思ったのは完成して最初の夏至の日のことだった。
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 しかしよく考えると、太陽の光はやや斜めに差し込むので、これだけの長さ(約15m)があるとかなり苦しいことになる。
 らせん階段そのものを大きくして中央の穴を広げないと、窓を大きくしても南に寄せても、たぶん光は床まで届かない。階段自体を南に3度傾けるという手もあるが、これは現実的ではない。

 というわけで、土地が狭く制約の多い設計だったのと、そこまで深く考えなかったというのが本当のところなので、しかたがない。しかし年に1度だけ光が差し込むところに、何か光を反射するものを置いておけば、けっこう楽しめるかなと思う今日この頃である。

 ちなみに今年の夏至(6月22日)は平日で仕事だったので、差し込む太陽光は見なかった。夏至に差し込む光だけでなく春分、秋分の日にだけ現れるへびの模様とか、冬至の日に現れるワシのような影とか、もっと作ればよかったと思っている。いやそのうち作ってしまうかも。そうなると、遠い未来に遺跡となった時まで楽しめる。いや、コンクリートなのでそこまでは持たないか。
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by anettait | 2007-06-22 23:45 | その他 | Comments(0)  

初心者用天体望遠鏡・その2

ビクセン ポルタ A70Lf  ¥33,000
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 初心者用天体望遠鏡その2は日本最大の天体望遠鏡メーカー(だったと記憶している)ビクセンの製品。その1も架台は同じポルタ経緯台なので、使いやすい微動付フリーストップ式という長所も同じ、やや重いという短所も同じ。しかし搭載されている鏡筒のため、使い勝手は変わってくる。

 搭載されている鏡筒は口径70mm、焦点距離900mm(F12.9)という長焦点。設計に無理がないから前回紹介した口径100mmF5の鏡筒よりも高倍率は得意。土星も木星も色収差が少なく比較的すっきり見える。ただし口径70mmにしては、という限定付で。

 口径がそれほど大きくないので、集光力はそれなり。星雲は苦手、付属のPL20mmで45倍、もう少し低倍率が欲しい、できれば30倍くらい。もうひとつ付属するPL6.3mmで143倍。このあたりが倍率の上限だろう。

 まともなアイピース2個と正立天頂プリズムが付属するので、このセットですぐに星を楽しむことができる。しばらくはこのセットで十分だろう。天頂プリズムは正立なので地上用としても使える。

 ただし、というかやはりというべきか、この鏡筒も天頂プリズムを使わないとピントが合わない。これでは使いにくくはないだろうか。これは私が天頂プリズムをほとんど使わないのでなじめない、という面もあるが。

 この鏡筒は値段のわりにはよく見えるのだが、欠点もある。まず、鏡筒の黒い部分はほとんどプラスチックだ。これでは太陽の観測ができない。太陽に向けたら燃えるのではないか。カタログによると、この機種に太陽投影板は使えない。あぶないので初心者に太陽観測をさせないつもりなのかも、なんていらんことを考えたりする。接眼部のネジの仕様のせいかもしれないけど。

 それよりもファインダー脚もプラスチック、ネジもプラなのはまずい。初心者向けの講習会で、何人かで何日か使っているとネジがバカになり、ファインダーが合わなくなってしまった。

 おそらく複数の初心者で無理にネジを締めてしまったか、元が中古(メーカーメンテナンス済み)だったので、もともとネジが弱っていたのか。とにかくファインダーネジは弱点である。

 もうひとつの欠点は架台にある。鏡筒が1m近い長さなので、標準で付属する微動ハンドルでは短い。望遠鏡を覗いたままだとハンドルに手が届きにくい。
 たぶん女性ではかなりきつい。子どもでは覗いたまま微動ハンドルを操作するのは無理だろう。
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 解決策として、手持ちのフレキシブルハンドルをつけた。このくらいの長さは欲しい。鏡筒を思い切り前に寄せて搭載する手もあるが、寄せすぎるとバランスが崩れる。ポルタは鏡筒の前後バランスをちゃんと取るのが基本だからだ。

 ファインダーネジと微動ハンドルという欠点はあるが、どちらも取り替えれば済むし、それほど高いものでもないしファインダーは壊れなければ取り替える必要もない。口径は小さいけど。

 付属品も十分、値段もそこそこで十分な性能がある。これは初心者用として前回と同じような、お勧めの望遠鏡である。こちらがやや安いが口径は小さいので当然だろう。
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晴れていたので40cm反射に同架して木星を撮影してみた。シーイングはあまり良くない。色が青いのは露出不足のせいもあるが、ホワイトバランスが狂っていることが大きい。でも口径7cmでこれだけ写れば十分かも。

 ところでこのA70Lfは、ビクセンマーケティングのウェブショップで中古品(メーカーメンテナンス済み)が出ることがある。1台¥18,000くらいだった。これはお買い得である。¥33,000だったら考えてしまうが、たまたまお金がある時にこの値段だったので、講習会用に3台まとめて買ってしまった。すでに2台は知人の修行用に貸し出し中である。

 鏡筒の性能は前回のSE102Sが上だが、子どものための望遠鏡で安く済ませたいというなら、ビクセンマーケティングの中古A70Lfがお徳だ。同じシリーズの80Mfはどうかと聞かれたことがあるが、こちらは手元にないので詳しくはわからない。その前のモデル「カスタム80」はあるので、鏡筒のみのテストはそのうちやろうと思っている。
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by anettait | 2007-06-19 23:13 | 初心者用望遠鏡 | Comments(0)  

土星食は曇り

 今日の午後4時47分に、土星が月に隠されるという現象があった。いや、あったはず。例によって今回も曇りだった。
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 昼間は雲が切れて、梅雨にもかかわらず青空が見えていた。そこで仕事から早く帰ってきて、ドームで撮影準備に取り掛かったのが30分前。
 これまでの経験から、この時間から準備を始めるのは危ない。間に合わないことが多い。火星食の時も準備が遅く、昼間で雲が多いこともあり火星が探せなかったという失敗をしている。

 今回もほぼ同じ、昼間、雲が多い、時間ぎりぎり。しかしドームを開けると雲が切れて、月がはっきり見えた。双眼鏡で見てみるが土星は見えない。

 急いで望遠鏡を雲に向けるが、月が子午線近くで、望遠鏡の東西を入れ替えている間に月は雲に覆われ見失う。

 その後、月が雲から顔を出すことはなかった。そのままドン曇り、むなしく現象開始の時刻を過ぎた。そして上の画像のような天気に。しまいには雷が鳴り出し、雨が降った。

 月刊星ナビには「土星食が見えなくても夕方の月と土星の超接近を見よう!」と明るく書いてあるが、まったく見えない。やはりこの時期には無理だったか。

 夜はテレビで「学校へ行こうMAX」で中学校の天文部員たちが国内最大のなゆた望遠鏡(口径2m)で星を見に行くという企画をやっていた。面白かった。

 木星と土星のビデオ映像はなかなかすごかった。口径2mだと普通に考えれば惑星像は「とてつもなく明るいけど気流の影響でぐちゃぐちゃ」になるような気がする。実際岡山にある国立天文台の188cmで見た時がそうだった(観望会参加者が多くて条件は最悪だったけど)。

 しかし番組で出ていた像はとてもクリアで安定していた。もちろん細かい模様もよく見えていた。それに驚いた。1度実際になゆた望遠鏡で木星、土星を見てみたい。

 テレビを見たおかげで土星食なんかどうでもよくなった。また次見ればいいし。
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by anettait | 2007-06-19 21:30 | 惑星 | Comments(0)  

虹が出た!

 夕方帰宅して、窓から何気なく南の空を見ると、なんと虹が出ている。急いで助手1号と2号を呼んで屋上で撮影開始。
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 珍しいほどくっきりした虹だった。上の画像をよく見ると、外側にももうひとつ薄い虹があるのがわかると思う。肉眼ではもっとはっきりしていたが、露出をアンダー側にしたためか写りは薄い。

 昼間は土砂降りで、4時頃までぽつぽつと雨が落ちていたが、この時間帯は雲の間からすっきりとした青空が見えていた。大気の透明度が高かったので、くっきりした虹が見えたのかもしれない。
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 拡大撮影してみると色がはっきりする。雲が虹の前を通過しているように見えるのは気のせい?それとも本当に小さな雲の方が近いのか?謎だ。虹までの距離ってどのくらい?

 残念なことに虹は半円には見えず、4分の1円くらいだった。雲が多いせいで夕日からの光がさえぎられたためだろう。

 この数時間跡、金星と月の接近があったが、近所に買い物に出かけている間は見えていたのに、急いで帰宅して撮影しようとすると雲の中へ。結局それは撮影できなかった。
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by anettait | 2007-06-18 22:54 | 気象 | Comments(0)  

初心者向けの天体望遠鏡

 はじめに
 初心者向けの天体望遠鏡は、未だに粗悪品が主流を占めている。夏休みが近づくと、あるいは大きな天文現象が話題になるとディスカウントショップやホームセンターなど、いろんなところで「星の見えない天体望遠鏡」が売られている。

 天文に興味を持った子どもたちが数千円から数万円もする天体望遠鏡を買ってもらったものの、まともに使えない製品のため星を見ることが出来ず、がっかりして天文から離れていく。大人でさえも粗悪品で星をちゃんと見ることは至難の業だ。
 ところが、「子どもだから使えない」「やはり天文は難しい」という誤解で納得して終わる。そして星を見なくなってしまう。最初からやぶれている網で金魚すくいをしているようなものだということに気がつかずに。

 これは沖縄県内に限ったことではなく、全国的な傾向だし、1986年のハレー彗星騒ぎの前からあまり変わらないような気がする。
 これがどれほどひどい状況であるかは「初心者用 天体望遠鏡」などで検索すればわかると思う。全国のアマチュア天文家の皆さんのホームページやブログにたくさん書かれている。良心的な天体望遠鏡ショップでも詳しく説明しているところもある。たとえば「星空と天体観測/天体望遠鏡で土星 http://blogs.yahoo.co.jp/solunarneo/MYBLOG/yblog.html 」には実際の商品の画像まで出ている。

 こういう状況が数十年も続くのはどうかと思う。もっとまともな望遠鏡を売っていれば、天文に興味を持った子どもたちが不良品の望遠鏡でがっかりすることもなく、天文愛好者はもっと増え、望遠鏡の生産量が増えれば望遠鏡はもっと安くなる。

 ということで、手持ちの初心者用(と思われる)天体望遠鏡のレポートを開始する。数台候補があるので、不定期にしばらく続く予定である。

 明日にでも天体望遠鏡を買いたいという方は、天体望遠鏡ショップお勧めの機種を買えば間違いはないので、そちらをどうぞ。
 となるとこのレポートの存在意義は?となるが、単なる自己満足で書いているので、まったく問題ない。


その1
RFT-SE102S屈折+PORTA経緯台 ¥39.800
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 画像の右側の望遠鏡である。左側の小さいのはコルキットという、これもいい望遠鏡だがこれは次回。

この望遠鏡は、京都の国際光器で販売されているオリジナルセットだ。国際光器のホームページにも「初心者用として必要なこと」などが詳しく書いてある。かなり気合の入った製品だということがわかる。

架台はビクセンのポルタ経緯台。鏡筒は中国製で、国際光器ではこの屈折鏡筒シリーズを以前から扱っていた。
8cm~15cmまであったと思う。同じ口径でも短焦点と長焦点があったが、現在ではかなり整理されているようだ。 

この機種についてはホームページの方で以前書いたことがるが、ページが消えてしまったのでまた書く。現在販売している初心者向けの望遠鏡で、これがいちばんいいと思うので最初に持ってきた。

何がいいかというと、まず架台がいい。ポルタ経緯台はビクセンの最優秀架台だと思う。とても使いやすい。クランプがなく、望遠鏡をつかまえて手で自由に方向が変えられ、向けたところでそのまま微動が使える。望遠鏡の前後のバランスが多少狂っていても「カックン」とおじぎすることもないので、目的の天体を視野に捉えやすい。

 この「カックン」がないということは初心者用として大きな意味を持つ。そこらで売られている天体望遠鏡もどき、いや以前のビクセンの主力経緯台、カスタム経緯台でさえこの「カックン」があった。そのコピー商品(中国製)も「カックン」までコピーしていたので構造上の問題があったのだろう。

 ベテランなら「カックン」と望遠鏡がおじぎをする場合、その移動量まで計算に入れて望遠鏡を操作するが、初心者には無理だ。星に向けたのに星が見えない望遠鏡になってしまう。

 ポルタ経緯台はがっしりしていて、風が吹いてもたいして揺れない。鏡筒の前後バランスさえ合わせれば13cm反射クラスまでは余裕で搭載できる。ただし大きな鏡筒は重くなるので、体力に応じた鏡筒選びが必要だ。

 鏡筒の重さに応じて架台の動きのスムーズさを調整できるのもすごい。そのための工具を内蔵しているところもいい。


 鏡筒の方は10cmF5の短焦点アクロマートだ。口径は10cmあるので有名な星雲、星団を見ることができる。メシエ天体が得意だ。

 しかし短焦点アクロマートの宿命で、高倍率は苦手だ。画像のように月の全体像を見るくらいではわからないが、100倍以上で木星を見ると、まわりに青い色がにじむ。色収差というものだが、F5なので仕方がない。
 150倍までは使えると思う。それ以上だと日周運動で移動していく天体を追うのが大変になるので十分だと思う。

 ところでこの鏡筒は天頂ミラーが標準で付属する。それも当然のことで、なんと天頂ミラーがないとピントが合わないのだ。
 
 どうやら最近の屈折鏡筒はこういうものが多いようだ。ビクセンの製品にも何機種かある。私は付属品なしでピントが合わないものはどうかと思うが、鏡筒のコンパクト化、材料の節約、コストダウンなどいろいろなメリットがあるようだ。

 それはさておき付属品は天頂ミラーのほかにアイピースが2種類付く。発売直後は2倍バーローレンズも付いていたが、今は別売りになった。これは残念である。
 
 忘れていたがファインダーも十分なものが付いている。XYで動くので従来の3本ねじよりも使いやすい。できれば正立ファインダーと言いたいところだが、コストがかなり上がるので無理だろう。

 最初に書いたが、初心者用としては現在最も使いやすいセットだと思う。ただしこれは大人の初心者向けである。

 このセットは小学生には体力的に無理がある。けっこう重いのだ。もしかしたら女性にも少し厳しいかも。
 重い原因の大半はポルタ経緯台にある。架台がしっかりしているのと重さはトレードオフの関係にあるので、仕方がないのだが。

 でもこれが重いとなると、これより軽いまともな赤道儀は存在しないので、赤道儀が使えないことになってしまう。写真を撮影しなければ赤道儀を使う必要はないわけだが、将来的に赤道儀を使うつもりなら、この重さ程度は使えなくてはならないと思う。

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実は手持ちのこのセットは知人に貸し出し中である。同じ製品名で中古が出ていたので買ってみたが、画像のように黒鏡筒だった。

 このセットは白鏡筒だけなので、画像のものはたぶん以前販売されていたマゼラン鏡筒シリーズの同スペックのもののようだ。高倍率での見え方が、現在のものの方が少しだけいいような気がする。それだけ進歩しているということなのか。または気のせいなのか。そのうち並べてテストしてみたい。

 なんだかとてつもなく長くなってしまった。しかもまだ第1回目だ。この後どうなることやら。
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by anettait | 2007-06-17 23:41 | 初心者用望遠鏡 | Comments(0)  

古いパソコン

 土曜日は久しぶりに晴れたが、土日とも仕事があったり雲が多かったりで、無理に出かけて星を見るのはやめた。

 夜9時頃になって屋上に上がると、抜群の透明度。南の方に雲が固まっていたので、南部にいくのはあきらめて、木星を撮影した。

 これまで使っていた米軍払い下げの再生パソコンは液晶が悪くてピントが合わせづらい。そこで古いけど液晶のきれいなパソコンを使って撮影してみた。
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 OSはwin98だが快適に撮影できる。ピントあわせも楽、ハードディスクの書き込みも順調。いつの間にかうす雲がかかってしまっても撮影を続け、ファイルは3.5ギガにもなってしまった。

 翌日の日曜、データを画像処理用パソコンに移そうとしたら、なんと外付けハードディスクを認識しないことがわかった。USBメモリーもだめ。LANアダプターも付いてないのでお手上げ。

 仕方がないのでそのパソコンで画像処理すると、これが驚くほど遅い。数年前なら我慢していたはずだが、快適な画像処理に慣れた身にはこの待ち時間が我慢ならない。どうにかしなくては。

 月曜になってから、家中の外付けHDの説明書を探して熟読すると、98でも使えそうなのが1個だけ見つかった。説明書どおりにパソコンを設定し、データ転送。今度はうまくいったが転送になんと70分もかかった。

 そのデータを外付けHDから画像処理用パソコンに転送するのにわずか2,3分。古いパソコンはUSB1.1の時代のものなので仕方ないとは思うが、ここ数年の技術の進歩を思い知らされた。

 古いパソコンで時間をかけて(かかってしまって)処理した画像は、最近のパソコンで処理したものと変わらない。処理スピードだけが違う。

 古いパソコンのHDの中には1年以上前に撮影した木星の動画が放置されていた。たぶん撮影したものの、外に移せなくて放置したと思う。同じことをまたやってしまったわけだが、その時のことはまったく記憶にない。
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by anettait | 2007-06-12 22:13 | アクセサリー関係 | Comments(0)  

ハイビジョンビデオカメラ1号

 今日も雨。どうやら梅雨前線が本気になったようだ。天気が悪いまま木星の衝が過ぎてしまった。というわけで今回もカメラネタ。

 1年ちょっと前にハイビジョンデジタルビデオカメラを買った。ソニーのHC-1という機種で、新機種が出た数日後に格安で買った。
 デジタルもののカメラの場合、新製品の天体撮影に対する適性がわからないうちに新製品に手を出すのは無謀というもの。評判のいい旧製品の方がよかった、なんてことは時々ある。

 しかしHC-1が評判がいいわけではなかった。HC-3と写りは大差ないだろうという安易な考えしか持ってなかった。実際にそれほど差はなかったようだが、買う前にも後にもHC-1についての惑星撮影のデータはあまりなかった。
 
 今から考えると、惑星がきちんと撮影できないからデータがなかったんだと思う。星観の会の先輩は、「感度が低く、色が変で使えない。」と語っていたが、私はそれは望遠鏡の口径で克服できると考えて買ってしまった。
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 結論からいえば、買ったのは失敗だった。新製品HC-3は露出調整等が面倒らしいので(未確認、うわさのみ)HC-1の方が使いやすいとは思うのだが、色がなんだか黄色い。口径35cmの望遠鏡を使っても、月面を強拡大すると黄色のノイズが乗る。木星は黄色っぽくて色彩が乏しい。土星はとても黄色。変だ。

 もちろん普通の撮影には十分すぎるほどの画質だった。当然のことだが今までのビデオカメラとは比較にならない画質だった、人物を撮るだけなら。天体を撮影するなんてきっとメーカーは考えてないはずだ。

 とにかく買ってしまったので月、木星、土星を撮影する。ちょうど木星の小赤斑(中赤斑ともいう)が大赤斑と並びかけるタイミングだったので、けっこう撮影した。
 ある日ふと「これまでの主力機VX-1000と比較してみよう」と考え、乾燥庫の中で寝ていたVX-1000を取り出して35cmシュミカセで木星を撮影。モニター(ただの10インチカラーテレビ)の像を見て驚いた。VX-1000の絵の方が数段自然で美しい。なんだかすごく損をしてしまったような気がした。

 HC-1はどう調整しても、VX-1000を超えるどころか並ぶことさえできなかった。結局HC-1は家族を撮るためのビデオカメラになった。その後、キャノンから出たハイビジョンカメラがいいらしいという情報もあったが、シャッタースピードが調整できないので見送った。実際に撮影した人から「HC-1よりはだいぶいい」という情報も寄せられたが、なんといってもパソコンがハイビジョンビデオを編集できるパワーがないので、今のところ見送っている。

 カメラが先かパソコンが先か。今の悩みはそれだ。現在出ているハイビジョンビデオカメラはどれも(プロ用は除く)もうひとつといった感じだ。良さそうなものはけっこう高いし。
 望遠鏡が60cmクラスならこのビデオカメラでも余裕で土星を撮影できるとは思うのだが、それは現実的ではない。なんといってもカメラと望遠鏡では値段が20倍はちがう。
 
 すでに時代はハイビジョンになっているのはわかっている。月面や惑星像はハイビジョンで残しておかなくてはならない。そう思ったのだが、現状ではハイビジョンビデオカメラ2号の導入はまだ遠いような気がする。

 今回の教訓「評判のよくわからないデジものカメラはあわてて買うべからず」いや、こんなこと誰だって知ってるはず。それでも買いたくなるのがマニアの悲しい習性というもの。たぶんまたやってしまうかも。
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by anettait | 2007-06-09 00:00 | カメラ関係 | Comments(0)