カテゴリ:屈折望遠鏡( 9 )

 

難あり短焦点アクロマート鏡筒を修理してみる(1)

私が購入する望遠鏡は、中古品が多い。特に観望会用途だと9割くらいが中古かジャンク品。観望会では学校の運動場などで砂ぼこりをかぶることが多いし、子供たちが力まかせに動かすこともある。高価な新品ではもったいないが、最初からその目的で買った中古ならまあいいか、ということである。

中古品は状態がそれぞれ違うが、中にはとんでもないハズレをつかまされることもある。そういう場合は高価なものでない限り、自分に見る目がなかったと考えあきらめることにしている。今回の鏡筒もそういう中古品である。
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前置きが長くなったが、これは数年前に中古で買った10cmF5短焦点アクロマート鏡筒だ。いくつかの望遠鏡販売店から同じものが出ていたので、どこで扱っていたのかは不明。

届いて初めて星を見た時、何か変だと思ったが、惑星を見てはっきりした。ピントが合った惑星像のまわりに、ボケた像が広がる。つまり焦点位置がふたつあるのだ。像も鮮明ではない。検証のためカペラを撮ってみたのが下の画像。ピントが合った点像のまわりにボケた像が広がる。これは星の色を撮るのにいいかもと少し思ったが、その周りに色収差の青が広がるのは短焦点アクロマートなので仕方がない。
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こういう像は対物の2枚のレンズ間隔が間違っているか、凸レンズが逆に組み合わさっている可能性がある。素人が対物レンズ掃除に挑戦して、組み上げたらこうなってしまったのが過去にあった。前回までよく見えていたのに、ということで見てみてわかった。

さてそれなら分解して、と思ったらこのレンズが張り合わせてあって分解できなかった。で、仕方なく使える部品は別の望遠鏡に回し、その状態で数年間放置してあった。
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つい最近笠井トレーディングの庫出し品で鏡筒バンドを入手し、それがこの鏡筒にどうにか使えたので、レンズを修理しようと思い立った。レンズの張り合わせを外す方法は調べてもわからなかったので、100円ショップの「シールはがし液」を使ってみた。
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接着してある部分に多めにはがし液を付けてもはがれる様子はないが、レンズを横にずらしたら、どうにか外れた。
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はがし液を中性洗剤と水で洗い落とした。凸レンズを逆にしたら余計見え方が悪くなったので、レンズ間隔を調整することにした。まずはアルミホイルを小さく切って重ねていき、良像になる間隔を見つけるという手間のかかる作業だ。
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とりあえず今回はここまで。後は星が見えるまで天気が回復してからになる。
アルミホイルを小さく切るよりも、薄いプラスチックシートをレンズの直径に合わせ狭いドーナツ状に切って重ねていった方が作業は早いような気がするのでそれも考えてみたい。




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by anettait | 2018-02-12 18:07 | 屈折望遠鏡 | Comments(0)  

短焦点アクロマートでシリウスを撮る

先日、よく晴れていたので自宅でSE120を出してシリウスを見た。

自宅は午前0時まではひどい光害なので、惑星も月も見えない時は恒星でも見るしかないのだ。
そんな時、冬の夜空は一等星が多いので楽しい。特に青白い星はアクロマートの色収差が楽しめる。
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この画像は冬のシーイングによるシリウスのゆらゆら画像(3コマ合成)。連射なのでこんなに形が変わるのがわかる。

青いのは短焦点アクロマート特有の色収差だ。口径12cmの集光力とF5という単焦点のおかげで、とにかく青く明るく輝いている。もちろん眼視には青はピンボケにして目立たせない設計だと思うが、シリウスだと目立つし、デジカメは肉眼より高性能なので盛大に写ってしまう。

星像が三角形なのは光軸不良のせい。ジャンクで入手した鏡筒なので高倍率にするとばれてしまうが、中倍率までなら問題ない。
惑星だってまあまあ見える。個人の許容範囲にもよるが、私はジャンクには寛大な方だ。
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ついでにオリオン大星雲も撮ってみた。焦点距離600mm直焦点の固定撮影なので1秒露出でも少しだけ星が伸びているが、そんなことを気にしてはいけない。

しかも盛大な周辺減光もあるが、これは画像処理の影響も大きい。5コマコンポジットで超高感度のざらざらをごまかしているが、光害のせいで星雲が目立たないのは仕方がない。

それよりも恒星の紫色のにじみを楽しみたい。オリオン大星雲よりも紫だ。ただし眼視ではこんなに紫は見えない。
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3.8mmアイピースに2倍バーローレンズを使い316倍でシリウスを見たが、伴星はまったく見えない。まあ12cmではダメだな。短焦点アクロマートだし光軸も少しずれてるし。

なお、ベテルギウスは青成分がほとんどないためか色収差は見えないし、撮影しても青にじみもなくシャープに写ってつまらない。やはり単焦点アクロマートは青い恒星が楽しい。



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by anettait | 2018-01-18 23:56 | 屈折望遠鏡 | Comments(0)  

月齢16.8をBORG100EDで撮る

最近天気が不安定で、よく雨が降る。しかも通り雨で、降ったかと思えば晴れる。雲の流れもやたらと速い。
そういう事情で、片付けに時間のかかる大きな望遠鏡は危険だ。雨が落ちてきて急いで片付けようと、腰をやってしまうことがあるからだ(経験談)。

だから今回もちょい見のBORG100ED。前回の短焦点アクロマートとほぼ同様のF6.4だが、EDレンズなので色収差は少なく、すっきりとした月を撮ることができる。
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とはいうものの焦点距離が640mmしかないので、フルサイズでは月が小さすぎる。APS-Cモードでも小さい。
こういう場合は素直にマイクロフォーサーズしかもデジタルテレコンで大きく撮るべきだったか。
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モニターでの強拡大でもピント合わせに自信がなかったので、たくさん撮影してステライメージ8で自動コンポジット。その後シャープフィルターなどで処理した。
それぞれのコマで月の位置はずれているはずだが、自動コンポジットまかせで100コマをきれいに合わせてくれた。処理に時間はかかったけど。


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by anettait | 2017-09-08 22:04 | 屈折望遠鏡 | Comments(0)  

MIZAR 127mm F9.4 で撮影してみた

先月末のことだが、久しぶりにミザールの127mm屈折を出してみた。けっこうよく見えるが、対物レンズはアクロマートなので、長焦点F9.4とはいえ少しだけ色収差が出る。

40年も昔だと屈折はF15が基本だったが、それでも色収差が欠点と言われていた。それを考えるとF9.4でこれなら十分高性能だと思う。
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せっかくなので木星を撮影してみた。
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シーイングはそれほど良くなかったが、予想外によく写っている。ホワイトバランス設定が変なのか、撮影時は緑色だった木星を画像処理で調整した。口径127mmだと光量不足で強拡大できないのが残念なところ。

今月中旬には月も撮影してみた。まずはデジカメで撮ったままの画像。
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次に画像処理(アンシャープマスクとトーンカーブ調整)した画像。
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月のふちに赤とか青の色が付くのはアクロマートだから仕方がないか。

鏡筒が長いのでGP赤道儀だと苦しいが、GPDなら大丈夫。世間の「天体望遠鏡」のイメージどおり白くて長いので目立つ。そのせいか夏の観望会では人気があった。今年もまた活躍してくれると思う。
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by anettait | 2014-02-22 22:24 | 屈折望遠鏡 | Comments(0)  

月と木星の接近・2013年2月

先日、月と木星の接近があったので撮影してみた。ぼーっとネットを見ていたら「月のそばにある明るい星は火星?」という助手2号の質問で思い出した。

最初180mm望遠レンズで撮影したのだがあまりシャープに写らなかったので、手元にあった詳細不明の中古対物レンズ+BORGカーボン鏡筒を使ってみた。
画面右端の下にあるのが木星。月と木星が一番近い時間帯をとっくに過ぎているのが残念だ。
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けっこうよく写っている。眼視でもよく見えた。高度が低くなってからの撮影なので、画像処理であれこれ手を加えてある。
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この対物レンズどこでいくらで買ったのか忘れてしまったが、レンズセルはプラスチックなので高くはないはずだ。短焦点アクロマートにしては色収差も少なくよく見える。
2インチ30mmアイピース(笠井蔵出し)との相性も良く、約17倍?の低倍率は見ていて気持ちがいい。

とはいうもののBORGカーボン鏡筒では長さがぎりぎりで鏡筒バランスが悪いので、ハズレの10cmF5屈折に移植しようと考えている。ただし本当にF5なのか、すんなりF5鏡筒に合うのかはわからない。
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by anettait | 2013-02-20 22:50 | 屈折望遠鏡 | Comments(0)  

MIZAR 127mmF9.4 アクロマート屈折

半年くらい前の話だが、ミザールの口径127mmF9.4アクロマート鏡筒を中古で買った。そこそこ大口径で長焦点の屈折が以前から欲しかったのだが、口径12cm以上でF8以上のものはほとんど無かった。

ケンコーの120mmF8アクロマートが以前からあるが、やや中途半端。もうひと息、と思っていたところに中古でこの鏡筒が出たのですぐに購入。ケンコー120mmの中古よりも安いと思われる値段だった。

実際に使ってみると、やはり重くて架台を選ぶ。私はGPDに載せているが、ちょうどいいくらい。GPでは力不足。
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眼視では色収差は割と少なめで、木星や土星も見やすい。ただし口径が大きい分、シーイングの影響も受けやすい。

月を撮影してみると、眼視よりもねむい像だ。色収差が影響していると思う。シーイングも悪かったのでアンシャープマスクをかけてみたら、けっこう見られる画像になった。
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長くて重いことを許容できるなら、眼視に使うにはいい望遠鏡だと思う。15cmニュートン反射の方が口径も大きく軽く扱いやすく、いろいろ便利だとは思う。しかし白くて大きく長いことが、道端観望会ではいい看板がわりになってくれる。
一般の人が持っている大きな天体望遠鏡のイメージそのままの外観なのだ。これを利用しない手はないと思う。
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by anettait | 2013-01-28 00:44 | 屈折望遠鏡 | Comments(0)  

SE120ジャンクを使ってみた

天気が急に回復したので、SE120ジャンクを使ってみた。

予想どおりというか、心配したとおりというか、光軸がずれていた。100倍で土星を見ると、土星が薄いしっぽを引いている。ピントの合い方も不均質。

原因はレンズを鏡筒に取り付ける部分だろう。何度か取り外して付け直してみたが、そのたびに光軸のずれる方向が違う。かなり重症かも。
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結局いちばん最初のものが良かったようで、その状態に戻ったところであきらめた。今日は根気がない。

じっくり時間をかけて調整すれば直りそうだが、この鏡筒は光軸修正用のネジが省略されている。いや最近の小口径屈折はほとんど省略されているから仕方ないけど、そうなると対処が難しい。

レンズを何度もねじ込み直すほか、接眼部をやや傾けて取り付けることで修正が可能かも。レンズセル部分に細工をする手も可能かも。

一応土星は見えるので、観望会用の運びやすい鏡筒を安くで買ったと思えばいいか。最近ジャンクは外ればかり引いているような気がするが、ジャンクなのだから仕方がない。

もしかしたら、最初に受け取った状態(レンズ取り付け部分が斜めにねじ込まれていた)で光軸が合っていたとしたら・・・。無駄なことをしてしまったのかも。その状態も試してみるとしよう。
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by anettait | 2011-03-29 00:25 | 屈折望遠鏡 | Comments(0)  

SE120ジャンクを買う

先日なんとなくネットを巡回していたら、SE120のジャンクを発見。付属品なしで18,000円という値段が微妙だったが、そこのHPには他に欲しい小物(デジカメのリモコン)があったので、注文した。送料無料、クーポンで10%引きはお得だった。
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数日して注文したものが届いた。まず別に注文したデジカメのリモコンは、よく調べもしないで買ったので、予定していたカメラに使えずがっかり。でも望遠鏡の方は付属品もちゃんと付いていて、得した気分。

付属品の箱が破れていたのがジャンクの理由かと思ったが、よく見るとレンズの取り付けが歪んでいる!
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なんとレンズが鏡筒に斜めに付いているではないか。とりあえずレンズを外してみた。

ネジ山が崩れているような気がするし、ネジ山の端は本当に崩れている。これがジャンクの理由か。
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締め直したら、レンズはまともに付いた。ネジが少しスカスカで不安だが、最後まで締めたら外れることはなさそうだった。
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天気がいい日に星像テストをして、光軸のずれがないか確かめねば。

なお、付属品のファインダーは現行品とは色の違う古いタイプだったが新品ぽいし、2インチ天頂ミラーやアイピースは新品同様だった。これで星がちゃんと見えればお買い得だな。
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by anettait | 2011-03-16 22:14 | 屈折望遠鏡 | Comments(0)  

ケンコーSE120の個体差

ちょっと前にケンコーSEー120を買った。しかも2本。1本は新品特価品(Aと呼ぶ)、もう1本は中古品(B)。中古の方は持ち運び用のハンドルも付いてお買い得だった。

しかし使っているうちに、個体差があることに気がついた。Aの方は高倍率でも惑星がよく見えるが、Bは高倍率にした時、やや光軸のずれがある。5mm以上のアイピースを使わないと気が付かないレベルだが。

今回初めて同時にチェックしてみたら、やはりBは少しだけ光軸がずれている。しかしSEー120のセルには光軸調整ネジなどついていない。低倍率では気にならないので、今回はそのままにする。

とりあえずポルタに載せて木星を撮影してみた。鏡筒はBの方。画像処理したら、けっこう模様が出た。12cmだからこれで十分かも。Aの方まで撮影する気力はなかった。
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撮影風景はこのとおり。晴れているが雲が多く、この撮影の時だけすっきり晴れた。
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今回は中古品なので、光軸がずれていても文句が言えない。初心者なら気がつかないレベルだし、惑星をたまに見る程度ならこれで十分だろう。でも新品からこうだったのか、前のオーナーに原因があるのか、わからないが気になる。
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by anettait | 2010-10-03 01:42 | 屈折望遠鏡 | Comments(0)