2007年 12月 06日 ( 1 )

 

明るすぎる火星への対策

 火星は小さいけど明るい。口径15cmなら、倍率200倍程度でちょうどいい明るさになる。今回は中接近なので、200倍の火星は小さいが、表面の模様はわかる。300倍にすれば、少し暗くなるが模様はわかりやすくなる。

 ところが口径が大きくなるにしたがって集光力も大きくなるので、倍率をかなり上げないと、火星がまぶしくて模様が見えない。しかしシーイングが悪いと高倍率は使えないので、そこそこの倍率にして、あとはNDフィルターで明るさを落として観察する。

 口径40cmともなると、400倍程度では火星がまぶしくて模様が見づらい。ということで、前回の火星接近で買ってあったバリアブルNDフィルターで、明るさを調整して観察する。このフィルターは連続的に明るさが変化するので、とても便利だ。ただしフィルター2枚重ねなので、像が劣化しているのではないかとの心配がある。ただし劣化しているかどうかはわからない。

 でも400倍ではまだ火星は小さい気がするので、シーイングが許す限り、550倍を常用している。それでも2003年や2005年の接近に比べればまだ小さいが、これ以上倍率を上げるのは冬のジェット気流が許さない。中、小接近は冬に起こるので、なおさら条件が悪い。


 ところで昨日、アイピースボックスの中に双眼装置があるのを見つけた。いや、以前からそこにあるのだが、ニュートン鏡筒ではピントが出ないので、放置状態で忘れていた。しかしバーローレンズを付けたらピントは合う。どうせ火星は高倍率が必要なので、試しに使ってみた。

 15mmアイピースと3倍バーローレンズで440倍。ちょうどいい倍率だと思ったが、火星はまぶしい。双眼装置による光量のロスがあるはずだが、火星は明るすぎてそれほど影響はないようだ。12mm、9mmと試してみる。ついでに2インチ2倍バーローも使ってみる。双眼装置も別のものに変更。

 一番安定して見えるのは、「バーダー究極双眼装置」に、2インチ2倍バーローにPL9mmを使った時だった。でもまだ火星は明るい。倍率は推定700倍程度。気流の乱れで火星は絶え間なくゆれ動いている。これでも火星はほぼ天頂なので、今日一番いい状態のはずだ。

 そこでふとアポダイジングスクリーンの存在を思い出した。確かドームの壁際に立ててあったはずだ。それを引っ張り出して使うと、火星の揺れは多少収まり、表面も暗くなって見やすい。しかも両目で見ているので、とても見やすい。でも前回、前々回の接近時の見え方にはとうてい及ばない。
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 結論として、小さくて明るい火星を大口径で楽に見るには、高倍率、双眼装置、アポダイジングスクリーンの三つが必要なことがわかった。しかも火星が天頂にある時に見なくては、最良の結果は得られない。700倍が常用できるシーイングが欲しい。

 ところで究極双眼装置は対空型なので、ニュートン反射で使うと、目の高さが接眼部よりも高くなる。うちの40cmで天頂の火星を見ると、頭の高さが2m以上の高さになる。高いところが嫌いな人にはお勧めできない。
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by anettait | 2007-12-06 23:52 | 惑星 | Comments(0)