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火星でRGB合成の練習をした

前々回の撮影で、モノクロCMOSカメラを使ってRGB合成の練習で撮影してみた。
カメラは中古で入手したASI120MMという前世代のもの。感度が低いし転送がUSB2.0なので、現行機種と比べると転送速度がけた違いに遅くて使いにくい。

カメラの感度が低いと、惑星を拡大した時にシャッタースピードが遅くなり、転送スピードもそれだけ遅くなる、しかもシャッタースピードが遅いと気流の乱れで惑星像がこんにゃくのように揺れたり、ブレたりといいことがない。気流のいい外国ならまだ使えるかもしれないが。これから買う人はできるだけ感度が高いものがいいと思う。また、USB2.0のカメラは惑星撮影では論外だ。ガイド用ならいいかもしれないが。

確かこれを入手したのは2年前の火星大接近の頃だったと思うが、そういう知識もなくはなかったが、練習用と割り切ったつもりで無駄なことをしていた。結局フィルター交換の手段がうまくいかずに使うのをやめたんだった。まあそれはいいとして。
火星でRGB合成の練習をした_a0095470_18201051.jpg
RGBのフィルターを笠井トレーディングで買った格安フィルターターレットにZWOのRGBフィルターを入れて使った。元は星雲用フィルターがセットされて売っていたターレットだが、プラスチック製で非常にチープな作りだしフィルターが3枚しか入らないので、LRGBができない。RGBのみだ。

上のRGB画像を合成したらこんな画像になった。
火星でRGB合成の練習をした_a0095470_18201550.jpg
まあ見た感じに近いような写りだ。北極(下)の雲が青く写っているのがいい。しかしこれは試行錯誤の上出来たもので、RGB画像それぞれの明るさ調整によっては別の色になったりする。
火星でRGB合成の練習をした_a0095470_18201996.jpg
眼視に近いのは最初の画像だが、これはこれで探査機の画像に色が近い気がする。まあ眼視に合わせるべきかなとは思うけど、赤い方が火星ぽい。

RGB合成は惑星の自転による模様のずれが目立たない時間内に撮影を終えることが基本だが、最近ではWINJUPOSという優秀なソフトで補正できるので、その限りではなくなった。でも面倒なので今回の火星は各60秒、合成180秒で撮影した。木星は自転が10時間だが撮影は60秒以内、ぎりぎり90秒はセーフかと言われているが火星の自転は24時間40分なのでその約2.5倍、225秒がぎりぎりセーフかもと勝手に考えて撮影してみた。間にフィルター手動回転の時間もあるので実際は200秒くらいかかっているので、たぶんこのくらいが限界だろう。
これ以上はソフトで補正するか、感度と転送スピードの速いカメラを買うしかないな。



by anettait | 2020-09-17 18:36 | 惑星 | Comments(0)  

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