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60cmドブソニアン自作記(200) 主鏡を回したらシリウスの伴星が見えた

このドブソニアンの主鏡は自作記に何度か書いたが、イギリスのオライオンオプティクス製だ。
アメリカ製の一般的な主鏡より厚さが薄いため、重量が軽くなっている。鏡面精度もいいと評判で、このふたつが購入の決め手になった。
鏡面精度は4段階のうち上から2番目。国内代理店で取り扱っている高精度仕様と同じくらいだったと思う。確か2008年12月に注文して、2009年12月末に届いた。なんと届いてからもう9年たつのか。
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しかし高精度仕様の割には良く見えない。星像が悪い。並以下だ。主鏡の出来が悪いのではなく主鏡セルがいいかげんな自作だからだと思うが、支持ポイントを動かしても変化なし。なにが原因なのか思い当たりすぎてわからないまま数年が過ぎた。

個体差かもしれないが、うちのはメッキがめちゃくちゃ弱くて、裏側から見ると透けて見える部分も出てきている。3年目頃から薄い部分があるのに気がついた。沖縄は高温多湿なので保管状態が良くなかったせいかもしれないが。でもそれなりに集光力はすごいし再メッキは高いので、当分そのままの予定。
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さてそれはいいとして、非点収差に何かいい影響が出るかもと思って、今回は主鏡を回してみた。以前も少し回してみたことがあったが、その時は変化がなかった。だから今回は4分の1回転くらいしてみた。そして光軸修正。

その直後、恒星を見て驚いた。星像が良くなっている。点に近くなっている。倍率を上げなければ、これでいいんじゃないかと思うレベル。もちろん私の良像基準はだいぶ低い。非点収差はあるが、そこそこ良くなった。

確認のためシリウスを見てみた。主鏡を回す前も見たが、まぶしいだけで大気による色ずれが目立った。しかし今回は点に近い丸い像。期待を持って倍率を300倍に上げたら、伴星が見えた。口径60cmもあるから見えて当たり前だが、このドブソニアンではこれまで見えたことがなかった。ドームの40cmなら楽勝なのに。

ただ、F4という短焦点なのでコマ収差のためか、視野中心を外れると伴星は見えなくなる。コマコレクター併用で変化が出るかこれから検証する予定。

さて今回の変化についての考察。主鏡を回して星像が良くなったのは、主鏡のゆがみが取れたためだと思われる。ゆがみの原因は自重によるものではないだろうか。保管時はドブソニアンにセットしたままだ。部屋に入れるためドブソニアンは斜めになっているので、主鏡も斜めに立てかけた状態。下になる部分はホームセンターでもらってきた梱包用のステンレスベルトで支えているが、たぶんその部分に過重がかかり、ゆがみが出たと考えられる。

このドブで天頂を見ようとすると接眼部の高さが2.5mくらいになり危険なので、ほとんど天頂に向けたことがない。つまりいつも主鏡は同じ側を下にして斜めになっているわけで、鏡のふちにゆがみが蓄積していくことは十分に考えられる。この鏡は薄いし。ならば定期的に主鏡を回さないとゆがみが蓄積するということか。忘れないようにしなくては。

ということで、何となくの目標のひとつである「シリウスの伴星を見る」はいきなり達成した。自作記の200番目としては実に区切りがいいというか、やっとここまで来たという気分だ。
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今回はシリウスも撮影してみたが、伴星は写らなかった。直焦点ではピントが合わないのでバーローレンズを使ったが、焦点距離4800㎜の直焦点撮影になり、風で動くドブでのピント合わせも厳しいし、まあ結局無理だった。

さて次の目標は、非点収差を何とかすること、だな。やることはいろいろあるが、最大の問題は鏡筒の工作精度だろうというのはわかっている。できれば作り直したくはない。面倒だし。

ところで最初の目標、オリオン大星雲の色を見るというものはとっくの昔にクリアしている。色を見るだけなら星像が良くなくても可能だ。今回オーストラリアで25cmドブで色がわかったので、見る場所の影響がかなり大きいということがわかった。やはり空か…。


by anettait | 2018-12-01 19:14 | 超大口径ドブソニアン | Comments(0)  

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