Hαフィルターを試す
水素の出すHαの波長は赤の波長よりも少し赤外線に近いので、肉眼では見えにくい。
しかし写真には写ることが多く、フィルムの時代には「赤い星雲を撮るならこのフィルム」など定番があった。
ところが赤より長い波長は写真のシャープさを損ねるということで、大多数のフィルムでHαの波長が写らなくなり、そのままデジカメ時代に突入。
初期のオリンパス機などごく一部を除けばデジカメではほとんどの機種でHαが写らないので、たとえばオリオン座のバーナードループやはくちょう座の北アメリカ星雲を写すためにはフィルターを特別に改造したデジカメが必要になった。
ローパスフィルターが薄くなって最近のデジ一眼では写りやすくなったという話もあるが、最新の機種は使ってないので、私には未確認情報でsる。
というわけで、光害たっぷりの自宅でバーナードループを撮影したくなり、Hαフィルターの存在を思い出した。
太陽観察に使ってみたことはあったが、夜使ったことはない。さっそく試してみた。
2か月前の画像なのだが、最近は晴れないので仕方がない。123秒の露出でバーナードループ(真ん中で弧を描いているガス星雲)とバラ星雲(左端の丸い星雲)がちゃんと写った。オリオン座の頭の上にはエンゼルフィッシュ星雲もうっすら写っている。もちろん天文ショップの改造デジカメ(中古)を使っている。
下の方は光害がひどく、明るくなってしまった。これでもかなり画像処理でカブリを抑えてある。
星まで赤いのと画像が粗いのは画像処理が未熟で雑なためだ。
ついでに縦方向に流れているのはナノトラッカーを雑に扱ったためだ。
この画像からすると、自宅でも透明度のいい晩なら、天頂付近はきれいに撮れるかもしれない。
by anettait | 2014-03-06 00:56 | アクセサリー関係 | Comments(1)