GOTOドブソニアンを使う
自動導入とは、見たい天体に望遠鏡が勝手に向いてくれるという、実に便利でおせっかいな機能だ。
天体の探し方を覚えないでこの機能に頼ると、望遠鏡の操作が上達しないと私も考えていた。
しかし天体は見たいが望遠鏡の操作は苦手という人には、十分役に立つ。ただし初期設定には最低限一等星をふたつ導入しないといけない機種が多いので、星のことがまったくわからない人が使うのは厳しい。
最新の機種のことはよく知らないので、もしかしたらフルオートで初期設定ができる機種があるかもしれないが、多くの機種がそうなるのはもう少し先のような気がする。
さて前置きが長くなったが、望遠鏡販売店の決算セールで自動導入ドブソニアンの架台だけが安く売っていたので、ついつい買ってしまった。もちろん最終目的は60cmドブソニアンの自動導入化だ。
ポンセットマウントも検討したが、ドブソニアン本体が2mを超えるため風に弱く、重心が高くなるポンセットマウントは危険な気がするから当面パスする。
さて、届いていきなり分解するのもなんだし、一応使ってみることにした。とりあえず倉庫にあった25cmドブソニアンの鏡筒を載せて使ってみる。なんとSkywatcher GOTO DOB10にそっくりだ。
手前側の高度ベアリングを交換して架台に載せるようになっているので、鏡筒径が合えば純正鏡筒でなくても取り付けは可能なはずだ。架台への固定は大きなネジ1本だけだが、わりとしっかり固定できる。
コントローラーが英語なので(だから安かった)、日本語説明書もろくに見ないで初期設定。1回目はうまくいかなかったが2回目に成功。初期設定は惑星や月でも可能だが、面積の大きい月の場合は誤差が大きくなるかも。
導入精度は観望会には十分。しかしこの架台の本当にいいところはダブルエンコーダーになっている点だ。天体を導入後にたとえば子どもが鏡筒を動かしてしまった場合、ボタンひと押しで元の天体を導入してくれるのはすごい。もちろん高倍率の視野の真ん中とまではいかないだろうが、今回の試用では20mmアイピース約60倍の視野には入ってきた。
思ったよりも使いやすいので、明るい場所での観望会に威力を発揮しそうだ。ファインダーで見えない天王星や海王星も導入可能だ。というわけで分解せずに当分観望会で使ってみることにした。モーター音がうるさいけど。
調子に乗って火星を撮影してみたが、シーイングが悪すぎて何が何だかわからない。
by anettait | 2014-02-20 00:05 | 天体望遠鏡 | Comments(0)