夜中に屋上に上がってみると雲が切れて月が出ていたので、昨夜に引き続きシャトルスコープ100sで撮影してみた。
今回もピントを慎重に合わせて撮った。もちろん雲がかからないタイミングを見ての撮影だ。
上の画像はリサイズ、レベル調整、改造カメラ用の色調整などはしているがシャープフィルター等の処理はしてない。F6.8アクロマートにしてはまあまあ良く写っていると思う。
しかし月のフチに黄色のニジミが出るのは短焦点アクロマートの宿命なので仕方がない。眼視でも月の全体が入る倍率(ビクセンPL17mmやLV10mm)だと月の周辺に黄色の色ニジミが付く。色収差のためか反射望遠鏡よりも月がややソフトに見える。
この元画像(RAW)を画像処理したのが下のもの。
まわりをトリミングして弱くアンシャープマスク処理して、コントラスト調整、色彩調整をステライメージ9でおこなった。そこそこシャープになって黄色もほぼ消えた。これ以上のシャープ処理は画像が荒れるのでやらない。
画像をクリックして拡大して見ると、画像処理の効果がわかりやすいと思う。
眼視でもまあまあだし撮影してみたらけっこういい感じなので、10cm短焦点アクロマート屈折としてはそこそこの実力だと思う。口径、焦点距離の割に軽いのがいい。フードは短いので近くに街灯のある場所ではちょっと弱いかも。
ただしこの機種は現在の鏡筒取付の主流になっているアリガタに対応してないので(カメラネジで三脚に固定する方式)架台取付に工夫が必要だし、短焦点アクロマートなのでそれほどシャープというわけではない。
しかもピント合わせは抜き差しとヘリコイドの両方でやらないといけないし、アイピース規格が24.5mmなので規格・操作の両面から考えて初心者向けではない。
しかしマニアの改造前提なら軽さが魅力だ。かなり前の機種なので、中古で探すしかないけど新品で売れなかったのか、中古でもあまり見かけない。
私のものはレンズのコーティングがはがれたものを中古望遠鏡ショップで数千円で買った。でも買った後に鏡筒バンドやアリガタ、2インチアダプターなどの出費があったので合計で1万数千円になっている。できればヘリコイドも追加したいと考えているので、もっと出費がありそう。
短焦点アクロマートに1万円以上出すなら、ケンコーの10cmF5屈折で付属品がそろったものを中古で探した方が普通の人は幸せになるはず。
私は普通の望遠鏡はたくさん持っているので、こういう昔買えなかったものを集めたりする。