西オーストラリアから帰ってもう1か月になるが、忘れないようにこれも書いておきたい。今回は自分用のおみやげの話。
オーストラリアでは北半球では見えない南天の星空が見えるので、星座早見も当然ながら別のものを使う。確か30年前に西オーストラリアに来た時はお土産に買ったし、数年前にニューサウスウェールズ州のパークス天文台(電波天文台)でも買った記憶があるが、どんなものだったか覚えていないし、大事に仕舞ったので今ではどこにあるかわからない。ということで、今回もお土産に買ってきた。
これは普通の星座早見で、パース天文台のショップで購入した。1個10ドルだった。厚紙製で、南天の星座がけっこう詳しく載っている。目立つ星雲星団が種類別の記号で載っているのがいい。
裏側(画像の右半分・北天側)は緯度に応じて地平線部分を切り取る仕様になっている。南天側と北天側の二窓になっているのは、星座のゆがみを避けるためではないかと思う。日本製の北半球用でもたまに見かける仕様だ。
ところでこれはアメリカ製だった。これ以外に星座早見はなかったのでいいけど、おみやげなので次はオーストラリア製を買いたい。実用品ならアメリカ製でもかまわないけど。
上のものとは別に、今回とても面白い星座早見を見つけた。購入したのはジェラルトンにあるジェラルトン博物館(下の画像の建物)のショップ。ここは横の道に駐車できるので、レンタカーでの見学が楽でいい。
博物館は規模はそれほど大きくなく、ジェラルトン周辺の自然や歴史についての展示が中心だ。自然については哺乳類・爬虫類や植物、魚類等の展示があり、歴史は主にイギリスからの入植後のものだ。特に先住民に対して行った政策について展示してあるのが興味深かった。まあ私は展示物をスマホのグーグル翻訳で翻訳して読んだだけだなので、どこまで正確に読めたかはわからないが。
ここで購入した星座早見は、天の川早見と言った方がいいかもしれないもの。先住民のアボリジニの人たちに伝わる「空の中のエミュー」(Emu in the Sky)がいつどこに見えるかを知るためのものだと一番下に小さく書いてある。つまりエミュー早見だ。
エミューとはオーストラリアにいる有名な飛べない大型の鳥で、ダチョウに似ている。私は野生のものは30年前にピナクルズから帰る途中で1度だけ見たが、車と同じくらいのスピード(私のイメージ)で走っていた。動物園に行けば実物を見るのは簡単で、私は20年くらい前に沖縄こどもの国でも見た。
オーストラリアのアボリジニの人たちの間では、天の川の暗黒星雲の部分がエミューに見えるというもので、そのイメージ図は下の画像のようにパース天文台の屋外施設にもあった。
暗黒星雲を動物に見立てるというのは南米でもあるらしいが、星がとてもよく見える場所だからできることなのだろう。上の画像のエミューは、頭の上には南十字、おなかの黒い部分にはさそり座が描かれている。
実際の夜空で見ると、下の画像のようになる。
この画像を撮影した時間帯ではエミューの足とおしりの部分はまだ地平線の下だが、雰囲気はわかると思う。南十字の斜め下にあるコールサック(石炭袋)がエミューの頭、ケンタウルスアルファから左に続く暗黒星雲が首から胴体の部分だ。
このエミュー早見は何枚か欲しかったが、なんと1枚しかなかった。しかもこの後、西オーストラリア州博物館とパース天文台に行ったけどこれは置いてなかった。
資料として何枚か欲しいので、次に行った時に忘れていなければまた買いたい。確か9ドル90セントだったと思う。紙製だ。